クラミジアの症状や原因、治療方法まで徹底まとめ

クラミジアは日本で感染者数が一番多い性感染症といわれています。
厚生労働省の性感染症報告数によると、2016年の性器クラミジア感染者（定点報告）は、

男性	11,723人（前年11,670人）
女性	12,673人（前年12,780人）
合計	24,396人（前年24,450人）

参考：性感染症報告数｜厚生労働省

これだけ多くの方が、性器クラミジア感染症に感染してるそうなんです。
年間感染者数は、なんと100万人以上ともいわれています。

最近だと、10代後半～20代にかけてのクラミジア感染者が増えています。
クラミジアの症状としては、男性の場合は、尿道からうみが出ることがあったり、尿道の不快感があったりします。
女性の場合は、おりものが増えたり、不正出血が起こるなどの症状があります。

ただクラミジアは、男女ともに、感染していても症状を感じることが少ないというのが特徴です。
そのため、自分が感染しているとに気づかず、パートナーにうつしていることが多い性感染症なんです。
これだけ感染者が多いのは、このような理由があるからなんです。

それでは、クラミジアについてもっと詳しく解説していきますね。
（※以下、性感染症を性病と表記します。）

性器クラミジア感染症とは？

クラミジアは「クラミジア・トラコマチス」という細菌に感染することで発症します。

先にも書いたとおり、クラミジアは日本で感染者数がもっとも多い性病です。
毎年、厚生労働省が「性感染症報告数」を掲載しているのですが、100万人以上が感染しているといわれています。
最近行われた調査報告によると、

• 18歳～19歳の女性の30%（10人に3人）
• 20代女性の15%（20人に3人）

が、クラミジアに感染しているとの報告がありました。
結構多い割合ですよね。

あなたが今日一日、街ですれ違ったり見かけたりした、20代の女性は何人くらいいたでしょうか？
仮に100人の女性がいたとしましょう。

そのうち15人はクラミジアに感染しているということです。
そう考えると、クラミジア感染者は、ごく身近にいるのかもしれません。

ちなみに、女性のクラミジア感染者の60%は、20代の女性だそうです。
クラミジアは、活発に性行為を行っている、10～20代の女性にもっとも多いと報告されています。

いままでは、女性のことを中心に解説しましたが、クラミジアはもちろん男性にも感染します。

なぜこんなにも多くの人がクラミジアに感染しているのかというと、クラミジアは感染しても、症状があまり出ない性病だからなんです。
そのため、自分がクラミジアに感染していることに気づかず、知らないうちにセックスなどの性行為を行った相手にうつしてしまっていることが多いんです。

クラミジアの症状は？
治療せずそのままにしたらどうなる？

クラミジアは「あまり症状の出ない性病」と、いいましたが、まったく症状がでないわけではありません。
女性の場合は、「おりものが増える」「不正出血」などの症状が、男性の場合は、「尿道から膿みが出る」場合もあります。
以下に、クラミジアの主な症状をまとめていますので、ご覧ください。

性別	男性	女性
潜伏期間	1～3週間	1～3週間
症状	・尿道に軽い炎症 ・排尿時に軽い痛み ・ペニスのかゆみ ・睾丸の腫れ ・尿道から透明の膿みが出ることも	・おりものの量が増える ・生理痛のような痛み（軽い、重い） ・不正出血 ・下腹部に違和感
治療しないと	・前立腺炎 ・腎炎 ・肝炎 ・男性不妊の原因	・子宮内膜炎 ・子宮頸管炎 ・卵管炎 ・不妊、流産、早産の原因
無症状の割合	50～60%	80%

クラミジアに感染しても女性の80%に症状が出ません。
男性の場合も、半分以上の人に症状が出ません。
また、「膿みが出る」などを除いて、「痛み」や「かゆみ」など、普段生活をしていても起こる症状なので、感染自体に気づくことが難しい性病なんです。

クラミジアに感染する原因は？

クラミジアは、セックス、オーラルセックス、アナルセックスなどの性行為によって感染します。
「挿入をしなければうつらない」と思っている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
クラミジアに感染している人の、粘膜や精液、膣分泌液に触れることで感染するので、フェラチオ、クンニなどのオーラルセックスでも感染します。

クラミジア感染者と性行為を行うと、50%の確率でクラミジアに感染するといわれています。
また、男女別に感染率を見てみると、女性の方が感染する確率が高いというデータがあります。
そして、実はクラミジアに感染していると、HIV（エイズ）に感染する確率が、30%～50%も高くなるという報告もあるんです。

ちなみに、温泉やプールなどで感染することはありません。

クラミジアの原因となる細菌は、細胞の中でしか生きていけない、非常に弱い細菌なので、性行為以外では基本的に感染することはないと考えてもいいようです。

クラミジアの検査はどこですればいいの？

先の項目でも書きましたが、クラミジアは「女性の80%」「男性の50～60%」が無症状であったり、症状自体も軽いので、感染していることに気づかないことがほとんどです。
症状がはっきり出れば、分かりやすいのですが、症状が出なければ自分で判断することはできないですよね。

クラミジアに感染しているかどうかを判断するには、検査を行うしかありません。
クラミジアの検査ですが、病院で検査を行う場合、

• 男性：泌尿器科
• 女性：産婦人科（婦人科）

で、検査を受けることができます。
病院で診察・検査を行う場合の費用もまとめてみました。

診察料	3,000～5,000円/1回
検査代	4,000円/1回

※上記は保険適用外のおよその金額です。保険適用については、病院の治療方針により異なります。

参考：STD研究所 性病の総合情報サイト

ただ、病院へ行って、

「クラミジアの検査を受けたい」
「性病の検査をして欲しい」

というのは、少し抵抗があるという方も、いらっしゃるかと思います。
そんな場合は、性病の検査キットを使ってみるのも一つの方法です。

いずれにせよ、いままで一度も検査をしたことがない場合は、一度検査を受けてみることをオススメします。

クラミジアは治るの？

クラミジアは、抗菌薬（抗生物質）を飲むことで治すことができる性病です。

「薬を飲むだけで治るなら、風邪みたいにそのままにしてもいても、そのうち治るんじゃない？」

っと、考える方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。
クラミジアは治療をせず、自然に治ることはありません。
また、薬を飲み忘れるとクラミジアが治らず、治療に時間がかかってしまうこともあります。

治療期間は、薬を飲み始めてから「平均3～4週間」ですので、しっかり治しましょう。

クラミジア治療には、以下の薬を使用します。

性器クラミジア感染症の治療薬

ジスロマック（アジスロマイシン）

クラミジアの治療でもっとも多く使用されている代表的な薬です。
ジスロマック（アジスロマイシン）の最大の特徴は、1回飲むだけでいいという点です。
日本性感染症学会の治療ガイドラインでも、クラミジアに対して、もっとも効果のある、「推奨レベルA」の薬とされています。

最近では、ジスロマックのジェネリック医薬品 アジーが発売されています。
ジスロマックとまったく同じ成分の「アジスロマイシン」が使用されているので、効果や飲み方もまったく同じなのに、価格が安いというメリットがあります。

商品名	アジー（AZEE）
有効成分	アジスロマイシン
商品説明	性器クラミジア・淋病・梅毒などの性感染症（STD）や、呼吸器・皮膚などの感染症を治療するお薬です。
備考	アジーは、ジスロマックのジェネリック医薬品です。 ジスロマックとまったく同じ成分の「アジスロマイシン」が使用されているので、効果や飲み方もまったく同じです。 持病やアレルギーなどを持っている方、治療中の薬がある方は医師への相談が必要となります。

ビブラマイシン（ドキシサイクリン）

ジスロマックは1回だけの服用でしたが、ビブラマイシンは、一週間飲み続ける薬です。
ビブラマイシンを飲むことで、クラミジアを100%治すことができる非常に効果の高い薬です。
しかし、一週間、薬を飲み続ける必要があるので、その点は要注意です。

その他にも「クラリシッド」「クラビット」など、治療に用いられる薬はありますが、クラミジアの治療は、まずジスロマック（アジスロマイシン）で行われます。
ジスロマックで効果が出なかった場合は、他の薬での治療に変わるのですが、ジスロマックは非常に効果が高いので問題ないでしょう。

クラミジア感染を予防する方法は？

クラミジアは、クラミジアに感染している人の、粘膜や精液、膣分泌液に触れることで感染します。
これらに触れることがなければ、感染することはありません。
そこで活躍するのがコンドームです。

具体的には、性行為の最初から最後までコンドームを付けることで感染を防ぐことが可能です。
クラミジアはオーラルセックスでも感染するので、フェラチオの時もコンドームを付けておく必要があります。
男性が女性にクンニを行う際は、オーラルセックス用コンドーム（デンタルダム）を使用しましょう。

コンドームやデンタルダムで感染を予防する以前に、パートナーがいる場合は、一度二人でクラミジアの検査を受けることをオススメします。
もし自分が、クラミジアに感染していなかったとしても、パートナーがクラミジアであれば、あなたに感染します。
逆に、もし自分がクラミジアだったとしたら、パートナーを感染させている可能性もあります。

パートナーがいる場合は、2人で検査、2人で治療を行わないと、クラミジアのうつし合いになり、一生完治することはありません。

風俗を利用している男性は、気持ち良さが半減してしまうかもしれませんが、コンドームを付けて性行為を行うようにしましょう。
先にも書きましたが、クラミジアなどの性病に感染していると、HIV（エイズ）に感染する確率が、30%～50%も高くなるというデータがあります。
あの時コンドームを付けていたら・・・と後悔しても、その時はもう戻ってきません。

性器クラミジア感染症についてのまとめ

• 日本でもっとも感染者数の多い性病（100万人以上）
• 感染しても症状が出にくい
• 女性80%、男性50～60%が無症状
• クラミジアに感染していると、HIV（エイズ）に感染する確率が、30%～50%も高くなる
• 薬で治すことが出来る
• コンドームを正しく使うことで感染予防できる

いかがでしたか？

クラミジアはHIVなどのように、一度感染すると完治しない病気ではありません。
しかし、自然に治ることはないので、必ず治療が必要な感染症です。
また、治療せずそのままにしていると、HIVに感染する確率がグンッと上がったり、不妊の原因になってり、他の病気を引き起こす原因となります。

クラミジアは感染率が高く、厄介な性病です。
いままで一度も、クラミジアの検査を受けたことのない方は、まず検査を受けてみることをオススメします。

いま抱えているそのモヤモヤや心の不安を、すぐに取り除くことができますよ。